椿狩りこそ、花見にまさる

椿を見にこい。
花見、紅葉に誘われることはあっても、椿はめったにない。

これが月光。雄蕊が真っ白。赤い花弁の心に満月の風情。
近くに日光。これは蕊が真っ赤。花びらはオスの蕊が変身したもの。
両性具有とはいわないが、妙な感覚に襲われる。

五色八重散椿。マイナーのマイナーのマイナー。
プラスに転化したあとさらにマイナーのド壺へ。
普通の民家にそんなマイナー巨木がそびえる。
<柊野別れ>。京の地名はよろしいな。

<有楽椿>は等持院。
春の光で紅が透ける淡さになって、可憐な椿。
信長や秀吉の激しやすいキャラクターたちと接しながら
淡々と美意識に遊んだ人物、織田有楽の好んだ色か。

椿狩り両性具有にうつろへり