青空書房 87歳 ニコニコのあとの毒舌がおたのしみ

呑んべえ友達に古本上手がおる。
東に椿を中庭に育ててる人おれば、京都だけにみられる
椿十種の育て方などを詳細に研究した本を贈り、
西にスパイスを生業にしている人おれば、胡椒の古代からの
世界流布の歴史資料本を献呈する。
普段から古書市で目的もなく、マニヤックな本を蒐集してあって、
ひょんなことから酒席の話題になったとき、2,3日後には
その人の手元に送られてくる。
わたしはそんな人になりたい。いやとても無理。
ムリやし、なりとおもない。

天神橋に『青空書房』という古本屋さんがある。
天牛さんあたりはのぞいたことはあっても、中崎町にあって
すぐ近くのくせに、このお店のことは知りませんでした。
『ぎったん、ばっこん』。天満の語り部たる古本屋の
ご主人がかいた本とアピールしてあるのを
たまたま西日本書店でみつけたのがきっかけ。
それ以来時々たずねていっては、
中井英夫や澁澤龍彦のはなしをポツポツと。

『すきっと』第16号にご主人のインタビュー記事がのってる。
昨年80歳で亡くなられた奥様との最晩年の日々が愛情たっぷりに
語られている。ご主人、坂本健一さんは87歳。
いつもニコニコ。最後は嫌いな作家をバッサバッサと
辛辣に殺しまくって大笑い。