桜の花が散ると、花鎮めの祭がある。
ことしは、ことに被災にあわれた方々の
魂を鎮める祈りをこめて、花を見送ることになった。
この時期は、食べものがほんのつかのまの
おいしい旬をむかえている。
花ズッキーニー。そのまま揚げてしまうのは惜しい。
駿河湾の桜えびを摺り身にして、花びらでつつんでやりましょう。
花山椒。新鮮なうちは緑を愛でて、鰻のうえにはらり。
かすかな舌のしびれが贅沢。のこりは佃煮に。買えば超高級です。
天然の桜鯛。富山の蛍烏賊。
碓井豌豆のすりながし。
名残の桜より名残惜しい食材が
花冷えとともにすぎていきます。
消えていくからこそ、おいしい。