「道」という文字の成り立ちは、
生首をもって進む形。
支配の圏外に出るときは、そこに異族神がいる。
我々の祀る霊と違う霊がいるので、生首をもって
祓いながら前に進む。これが道のもともとの意味。
白川静と梅原猛の対談『呪の思想』。
おどろき興奮の解釈から、呪術に支配された
人間の暮らしといのちの力がたちあがる。
あの『もの食う人びと』の辺見庸の
新作詩集『生首』。
これもまた、呪の哲学が吐き出す言葉。
現実が反世界にさらされた日本で
いま言葉の呪力を手さぐりすることが
救いにかわる手立てやとおもう。