未来と過去
生と死
エロスとタナトス
穢れと浄化
罰と聖性
微笑みと嘆き
さまざまな相反する意識のなかで、
生理的な細胞があわだったり、おののいたりしながら
増殖したり、死滅したりしつづけている。
それらは対立しているかとおもえば、浸食しあって、とけあって
混沌としてくる。穢れがいきつけば聖なる局地にいたる。
死が蔓延しているむこうに再生がみえてくる。
たがいにひきあう法則があるのだろう。
上原浩子の「引力」はそのむこうにとてつもない
彼岸のはじまりがある。
未来世紀や異星人の友人もさそってきて、
涅槃パーティをひらこう。
みな、しずかにほほえんでいる。
そう、アルカイックスマイル。
21世紀の観音にみえてきた。