オルゴールと響き合う肉体は音叉のごとし

『ホール・オブ・ホールズ六甲』。
オルゴールのミュージアムときいていたので
さしたる興味もなくのじたが、そのコレクションにおどろいた。

オルゴールは自動演奏楽器のことで、ヨーロッパでは
20世紀末には貴族の巨大なインテリア家具なんです。
からくり人形もふくめて、それらの厳かなアンティーク楽器が
頻繁にいとも軽々と演奏される。
メンテナンスは時計職人の技術でしょうが、
そのスキルの高さがほこらしい。

つい最近、国際美術館でアンリサラの展示があった。
東欧生まれのまだ30歳代の若手アーティストが
すでに世界的な評価をうけており、そのオープニングは
オルゴールであったことをおもいだしました。

窓の内と外の環境がオルゴールの音色に触発されて
アート空間をうみだす仕掛けである。
オルゴールは紙に穴をあけて風圧でメロディーをならしだす。
簡単な仕掛けと温みある音色。
人間の肉体の空洞は音叉となって、自然とひびきあうようです。