『前衛の遺伝子』 足立元

足立元『前衛の遺伝子』を読み始めています。

20年前に辻 惟雄が『奇想の系譜』で、
幻想的でけったいでおもろい、
けど(異端)であっさりかたずけておいた
岩佐又兵衛、曽我蕭白、長沢蘆雪らを
<主流>の中での前衛として再評価した。

足立はここで明治から~戦後50年の
<前衛>をクローズアップしています。
まだよみはじめた段階ですが、
遺伝子の構造分析はぶっとい文脈を
ほり起こす力技であり、また丁寧にひだひだを
指先でときほぐす手触りの感触もかねそなえています。

青木繁、黒田清輝、岸田劉生の主流の
その前衛にはこんな奔流、濁流があったんや。
予想はできたものとはいいえ、このように系統だって
紹介されたことはありませんでした。

ここ半年だけでも、
兵庫県美10月:榎忠
広島現美11月:しりあがり寿
カタール2月 :村上隆
これらのうごきは、底流としてあった
この前衛の遺伝子が活性化の現れでしょう。

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【タイム食句】
ごはん粒よく噛んでゐて桜咲く : 桂信子