中川幸夫は花を切り、花びらをあつめて、
再びいのちを吹き込んだだけではなく、
花を剥かれた裸身にまで
己をみつめていた。
●花は魔の山● 中川幸夫
花を乗りこえる。
剪って、切って、生身からしたたる粘液が、
いけるわたしの苦悩のなかから滲みでるまで。
花は見ている。
わたしは花という鏡に映じている。
花びらを落とした<チューリップ星人>の、
透きとおって華奢な、
風にふるえる裸身とともに。
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<チューリップ星人>というユーモラスで
解放されたイメージにであって、
再び、中川幸夫へのオマージュ
<チューリップ星人>
器:青木良太
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【タイム食首】
酒のめば亀の子のごと頸ふりてわからぬことを唄ふたのしさ
: 萩原朔太郎