『生まれたのかたち展』
「アート解放区」は6人の若手作家をあつめています。
陶芸のふたり、とてもいきのいい女性。
土とあそんで、格闘して、自分をぶつけて、
命をうみだしてゆく。
女性、ていうより女の子が命あるものを
うみだそうと戦っている感覚がむんむんと発散されている。
ふたりに共通するのは、ユーモアがある。
軽いノリの笑いというより、人間的な野太いふっふっふ。
杉本ひとみは、1年前にこの会場で発見した。
バナナとお尻。チャーミング。すっとぼけてて、
天然のやらこいお笑いハート。
バナナはさらに進化、深化、表面から内面に
おいしく腐りかけてきている。
バナナは青臭いより腐りかけがうまい。
篠崎裕美子には早い時点からエネルギッシュうな個性に
注目しています。
形式的で表面を装ったまとまりを拒否。
内臓がうらがえった皮膚感覚。
<ハングリー>というタイトルのシリーズが多い。
どの作品にも、底に丸いリング状のものがある。
アヌスかもと、ふっとわらわせる。
ふざけてるようで、案外気まじめに人間の本質を
つかまえようと格闘してるんでしょう。
新作<I am hanngury>
三角錐状の噴火山ともとれぬオブジェの全面に
マグマとみればヴァギナがいくつもえぐられている。
さらに裏返すと、ドロドロとして赤い異物がこぼれだしている。
地球のマグマであり、人間の内臓であり、
宇宙から生命体にいたるカオスそのものの奔流である。