山田航『さよならバグ・チルドレン』の水、四態

パソコンの動きが遅くなってきている。
フリーズしやすくなってる。
バグがふえてる。やっかい。
夜中にパソコンにむかってると、
昼間よんだばっかりの
山田航『さよならバグ・チルドレン』の
歌の光景がうかんできた。

・やはらかなてのひらがすくふ水があるその水がぼくに注ぎ込まれる

【タイム食句】【タイム食首】で毎日、食をとりあげているので
ここでも<水>に限定すると表情はそのたびにちがっている。

・たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
・水呑み場の蛇口をすべて上向きにしたまま空が濡れるのを待つ
・がぶがぶと水を飲みたき夜なれば可笑しさばかりが胸に太れる

繊細な抒情、下流志向の二ート、むきだしの青春、露悪的豪放磊落。
ネットの中ではだれでもが容易に年齢不詳、多重人格になっている。

・ざわめきとして届けわがひとりごと無数の声の渦に紛れよ

この瞬間もツイッターをひらけば、
わがひとりごとが濁流となって晒されている。