・地球捉む韃靼の蝶高麗の蝶 : 翠胡 

・地球捉む韃靼の蝶高麗の蝶

てらつかむ、だったんのちょう、こまのちょう

食句塾での翠胡の句。
発想のスケールが大きく、シュールに絵的でもある。

「竹島や尖閣諸島の領土問題を俳句でこんな風
にとらえるのがおもしろい」
メンバーの一人がこう批評したので、たちまちに
句の表情が変わった。

・蝶墜ちて大音響の結氷期             :  富澤赤黄男

・てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。  : 安西冬衛

絵画では、三岸好太郎に 「海洋を渡る蝶」

いずれも、傑作といわれた有名な作品です。
おおかたの感想としては、このような前例にそって、
発想の一つのパターンであり、
そうおどろきはない、というコメントにおちつきそうである。
ところが、領土問題といわれると、なかなか味のある句にみえてくる。
俳句は、政治や社会ネタがテーマになるとどうしても
解釈が限定されて面白みがなくなるものです。
ところが、今回は政治解釈でかえって新鮮味がでてきた句で、
俳句が読みによってすくっとたってくる例となりました。