『美術にぶるっ!』は前衛の遺伝子たっぷり

足立元の『前衛の遺伝子』は、
読み応えのある日本の美術史です。
<アナキズムから戦後美術へ>のサブタイトルのとおり、
乱暴にいえば、反主流派の抵抗勢力の系譜です。
教科書的ではない。おだやかな教養本ではありません。

国立近代美術館『美術にぶるっ!』。
ベストコレクション100、と銘打ってるからには
おおよその予想がつきます。
当然、主流派でしょう。
ところが、予想をうれしく裏切って、
さきに書いた『前衛の系譜』が相当な量で
割り振られています。
池田達雄、菊畑茂久馬なども複数作品が。
濱谷浩の写真、河原温の浴室28点。
なかなかぶるっとさせてくれる、粋なベスト100。