会田誠は、ひょっとすると坂口安吾なのだ。
「会田誠展:天才でごめんなさい」は『堕落論』
ではないか、というおもいにかられました。
いままで、断片的、といういい方はあわないけれど、
いくつかの作品はみてきています。
それが、あまりにイメージがちがいすぎて、
どこに照準をさだめて、この作家の顔をみたらいいのかとまどう、
というより、はじめから興味をそそれらはしなかった。
ところが、こうしていままでの集大成が一つにまとめられてみると
そのエネルギーとアナーキーと人間性のマグマが
圧倒的にたっぷんたっぷん襲ってきます。
日本の2000年前後に生きる私たちをおぼれさせたり、
引き潮にして、干あがらせたり。
再生のキーワードが、鍵となるイメージのきっかけが
ちらばっています。
<食用人造少女・美味ちゃん>
エロ・グロか、それがアートか、顰蹙を買ってこそアート、
いや単なる興味本位のエログロでしかない、
それでどうなの?
<天才でごめんなさい>
この辟易させてしまうタイトル、
エロ・グロ一連もなにもかも、
(まだ拒否されたものもあるうようですが)
あらゆる抵抗をひっくるめてふみきった
森美術館のアート精神が刺激になります。