12月の食句塾。
兼題 : 鍋
・謄本や青い火揺れるひとり鍋 : 磯菜
謄本という言葉が俳句のステージにのぼって
たちまちに、おそろしい時代の病巣をあきらかにした。
おそらく10年前、それより時代を過去にさかのぼれば、
戸籍謄本は事務書類以上のイメージはわかなかったでしょう。
俳句が社会詠であるのは、あるパータンの視点が予想されるので、
文学的要素を対立することが多い。
また、10年後にこの句の怖さが通用するかというと、
判断はできません。
しかし、俳句にこのような器の用途もあるということで。
ほかにも
・一人鍋借りたお金は返しましょう : 三甫
・鍋に期季旬刻(とこときときとき)と大白菜 : 弥華藍
・寄せ鍋やかけらばかりでみんないる :主水
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次回
1月9日(第2水曜)
兼題 : ごぼう ・ 袋