ロバート・キャパの傑作は他人の撮った一枚

「崩れ落ちる兵士」
戦場カメラマン、ロバート・キャパの歴史的傑作です。
スペイン内乱を象徴する聖なる画像として
ピカソ「ゲルニカ」とこの写真が存在しています。

沢木耕太郎がこの写真にまつわる疑惑を追跡する
ノンフィクションが文芸春秋掲載の『キャパの十字架』。
さらにドキュメント映像としてNHKで<運命の一枚>として
放映されました。

この<死の瞬間>写真は疑われていた<やらせ>どころではなく、
さらにやっかいな他人が撮った<盗作>であるところまで、
沢木はおいつめました。
そのプロセスは、キャパという一青年のたぐいまれなる情熱と才能への
畏敬のまなざしがこめられています。

わくわくの推理ドキュメントをその著作にまかせるとして、
トリビア情報がありました。
ロバート・キャパは本名エンドレ・フリーマン。
無名の若者では写真を高く売れないので、
有名なアメリカ人の架空人物を設定して
写真を売り込む戦略をたてたということです。
アーティスト・ネーム戦略は、ほかにも
ブラッサイは、ハラース・ジェラ
マン・レイは、エマニュエル・ラドニッキー
それなら、いかにもアーティスト・ネームくさい
東松照明、土門拳は・・・・・
なんとなんと、本名なんですね。