園子温「恋の罪」

園子温「恋の罪」。
「ヒミズ」前年に撮った作品。
東電OL殺人事件である。

宮崎勤が幼女連続殺人を犯したのは1989年。
宮崎勤はボクだ。
東電OLの売春婦はワタシです。
そう感じた女性は多い。だらふ、だらう、だろう、
だろだつでにだぁなぁなら。
渋谷で殺されたは、1997年。

犯人とされたゴビンダ・プラサド・マイナリは無期懲役。
長期にわたる冤罪で、しかも15年後の去年なぜかあっさり無罪判決。
フィリピンに帰国後のファミリ―との生活も報道されています。

この事件をノンフィクション化してライターとしてトップに
おどりでた佐野真一氏は、ダイエー中内、ソフトバンク孫と
冷徹な経営者の素顔を暴くのに実力を発揮、
ところがところが、ひょんなミスから橋下問題で急に失脚。

彼女は東電在職当時は、社内にいながら反原発のレポートで
賞もとるほどの評価をうけていました。当然、原発推進の東電本流からは
疎外され、その直属上司が後の2011年原発事故の勝又会長であったという。
だれも、無念の想いが原発事故の誘因になったとはいえません。
しかし、この事件そのものは、日本の上空で怨霊となって
覆いかぶさっています。
20世紀末の日本の病状を象徴しています。

園子温監督は、この惑乱を単純化せず、生半可な解釈で
おわらせず、幾層にも人間の暗部をかきわけていきます。
<わたしが殺された売春婦だ>と、叫ぶ声が響りやみません。
映画公開は原発事故の2011年。

ちなみに、宮崎勤は1962年生まれ。
この年生まれで活躍している人物は多い。
園子温は1961年12月に生まれている。