8・10
水筒の麦茶を家で飲んでおり : 長嶋 有
~~はやく着きすぎなぜだか遅刻
8・9
まぶた閉ざしやりたる兄をかたはらに兄が残しし粥をすすりき : 竹山広
~~原爆の原発の毛皮のヴィーナス
8・8
秋立つやジンジャーエールに透ける肘 : 野口る理
~~静脈のなか遠雷ひかる
8・7
ごく小さきくらきレストオラン湖に向き湖昏るるとき窓閉ぢにける : 斉藤史
~~遠くなる棒立ちで見た昭和史も
8・6
ひとだまの歯ごたへなまづの天ぷらは : 関悦史
~~酢醤油の瓶ぶちまけ疾走