10・20
厨子王の姉の安寿のかなしみをぎんなんあぶる香にぞ思ひし : 高野公彦
~~いちょう大樹忍び音もらす翡翠の実
10・19
月夜、あるだけの米をとぐ : 山頭火
~~垢のかさぶた体温調整
10・18
葡萄ひとつひとつに吾は映りつつ世界の細部ができすぎてます : 光森裕樹
~~荘厳の巨峰に孤り遭難す
10・17
羊羹の夜長の色を切りにけり : 川名将義
~~一棹にぎり弄んだあとは
10・16
馬鈴薯の花咲く中に、くぼみたる土穴を見て、たけり来る心 : 釈迢空
~~陰陽の大地の層に甘露あり