『家族喰い』小野一光・著

尼崎で起こった角田美代子による
連続変死事件はどうもありきたりの殺人ではありません。
現代人の不可解さ、心理的構造におおいに興味がわいてきます。

この事件発生ですぐにおもいうかべたのは
車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』。
モツ焼きの串をさしつづける男の安アパートは
尼崎の出屋敷。
角田美代子の生活空間は尼崎、大物、杭瀬。

この事件を調査した『家族喰い』(小野一光著)。
家族が、一家勢ぞろいで丸ごと、なんで?
しかも、いくつも、まったく関係のない家族まで、
なんで?まさにこの事件の不可解さはここにあります。