3・10
陽炎より手が出て握り飯掴む : 高野ムツオ
〜〜三年たっていま手のひらに
3・9
ひとりきて「裸のマヤ」のまへだしぬけに口中ホワイトアスパラの味 : 花鳥佰
〜〜後口をウォッシュチーズでたのしみて
3・8
春暁や罪ほの暗く胃に残る : 横光利一
〜〜右脳にゲロがたまったままに
3・7
ああこんな美しい日に豚まんの底の薄紙はがしあぐねて : 大辻隆弘
〜〜指先に辛子べっとりあとがない
3・6
発光す一心不乱に土筆摘み : 山下つばさ
〜〜家族団欒淀川氾濫