十三に『大玉家』あり

天満の商売人の家では味噌汁はない。
ごはんとうどん。
汁のうどんが味噌汁がわり。
だからどこの家でも毎日市場で
生のうどん玉を買ってくる。

そんな生麺を売る町のうどん屋さんはほとんどなくなった。
十三に『大玉家』あり。大正十一年創業という大のれんがかかっている。
普段は小売できないが、ときどき近所のスーパーで出店販売をやっている。

なつかしい。細麺を買う。
早速、家に帰ってつるつる。

大阪のうどんや。
コシのあってないような、
喉を素通りするような、

ごめんやっしゃ、わたしそんなたいそうなもんやおまへん。

粋やないの。