Sー1グランプリ :: 要らぬ箱中にまた箱梅雨の中  : 弥華藍

食句塾
年末恒例
写俳大賞+Sー1大賞 選考会

① 写俳大賞

・日盛りや今日決行の父殺し : りえこ

10年前であれば、観念先行、新聞見出し的大雑把で
逆選のところですが、現実ははるかに早くすすみすぎたようです。
特にさきごろの優秀な女子高生の同級生殺人は、潜在的父殺しでもありました。
この写俳は、健康的な女子高生の自転車姿の写真から
日本の病んだ時代の姿をひきだしました。

惜しかったのは

・駅伝に予算計上脱毛費   : 咲也

写真はマラソンのスタートの瞬間。
ラインに並ぶ足から、とんでもない発想のユーモア。

②Sー1 グランプリ

・木屋町の朧へ曲がる笑ひ声   : 翠胡

・満員に知り合いのない涼しさよ : 磯菜

・要らぬ箱中にまた箱梅雨の中  : 弥華藍

選考決定、すんなりはゆかず。

箱の句::情緒をそぎおとした新鮮な表現に挑戦。
色、線、光、とミニマリズムにつきすすんだ美術のように
なにもないシンプルな箱を出現させた点を評価。