【 タイム食句】 02・01〜02・05

2・5
白魚の目の裏側の暗さかな                 : 小野あらた
〜〜ほの明るみぬ喉のせせらぎ
2・4
死者の数簡潔に伝えらるる夜の器ふるふる豆腐ふるわす    : 齋藤芳生
〜〜ラマダンの鎮もる刻の擂り粉棒
2・3
生くる日を何もて満たす雉子食ひつつ            : 細見綾子
〜〜雷鳥の頭をしゃぶる昂り
2・2
そうやって誰もがいなくなる夜をコップの底のように過ごした : 小林朗人
〜〜転換期見て見ぬふりの天動説
2・1
わが掌からはじまる黄河冬の梨               : 四ッ谷龍
〜〜感情線が太く途切れる