【 タイム食句】 11・01〜11・05

11・5
地に立てる吹き出物なりにんげんはヒメベニテングタケのむくむく : 渡辺松男
〜〜太初より菌糸のありて言葉あり
11・4
とろろじるのための昼酒許したまへ          : 小澤實
〜〜とろとろととろとなりのとろろ
11・3
蜂蜜に花梨沈めてゆくときの緩慢 前に見しことのある : 高木佳子
〜〜それぞれにちがうデジャヴュ霧の向こう
11・2
電球や柿むくときに声が出て                : 佐藤文香
〜〜帰還禁止の家の木守り
11・1
虐殺につゆかかはりはあらざれど南京櫨の実の瑠璃まみれ : 塚本邦雄
〜〜人間を粒とみなせり空爆は