『余白の祭』の恩田侑布子さんが 静岡の志戸呂焼の窯元であることを 偶然知って、またこの先鋭な俳句論集を ひらいています。 現代俳句のわかりにくさと向かいあう たのしさをみせてくれます。 古典、絵画、土器、日本人の蓄積して
カテゴリー: 本 周辺
『怪しい来客簿』 色川武大
『怪しい来客簿』 色川武大 冥界と現つ世のあわいを 行き来しながら息をしているのが 人の暮らしというものだろう。 戦後の闇の混沌とは大きく違っている、 この清潔の嘘で覆い隠すさらなる闇世。
『師父の遺言』 松井今朝子
『伝統演劇の発想』武智鉄二 『師父の遺言』 松井今朝子 師父とは、武智鉄二を指す。 武智鉄二の本を読み返そうとしたときに たまたま松井今朝子の存在を知りました。 直木賞作家の顔しか知らず、 単に歌舞伎にくわしい作家程度
又吉直樹
『芸人と俳人』 堀本裕樹が又吉直樹に俳句講義をする形式。 エッセイがはさまれている。 又吉が純文学愛好者であることが ひしひしわかる文章センス。 俳句講義は堀本の指導が上手なことと、 又吉は破調俳句ではすでに傑作をものし
『美の侵犯 蕪村✕西洋美術』 北川謙次
蕪村と若冲が100メートル以内のご近所さんだったから 立ち話しててもおかしないわなぁ。 という発想の企画がミホ・ミュージアム。 蕪村をデュシャンやエルンストやクリムトとの ミステリアスな遭遇に誘いだしたのが 『美の侵犯』
「九楊先生の文字学入門」
石川九楊 「九楊先生の文字学入門」 まいどまいど、最後までよむのは難儀。 書は美術ではなく文学である。 もうずっと長いあいだ、この主張をいいつづけて その特異なスタンスで日本の誇るべき叡智である。
尾崎まゆみ <葛原妙子ノート>
『葛原妙子論集』が<現代短歌を読む会>から小冊子で。 2年にわたって全歌集を丁寧に読み解いていった尾崎まゆみ。 「幻視の女王」の冠から晩年の<かるみ><ほそみ>の 和の美学概念を精製してゆく読みはスリリング。
佐藤弓生歌集「モーヴ色のあめふる」
佐藤弓生「モーヴ色のあめふる」 エロい歌集。 ひかり、みずうみ、雨、モーヴ色 語彙を並べていけば、叙情に淡くながされてしまう よくある弱官能症候群にみえるが、 よみすすめば、濃厚な命のエロスの域にはいりこんでいく。 色彩
『芸人と俳人』
『芸人と俳人』 又吉直樹 堀本裕樹 物ボケも一発ギャグも嫌い。 俳句は短い言葉なのに世界をひろげてくれる。 このやり方は使えるんじゃないか。 そこから吹っ切れて、 物ボケでは、一切、説明しない。 その物を何かに見立てて状