大衆演劇は歌舞伎のかぶきすぎた流れ。せやない、炭鉱 地区の娯楽で発生した新しいもんやと案内人が宣う。一 族郎党でさすらう生活様式はジプシーフラメンコに通底 して濃い輪郭の貌を生む。化粧だけでは化けられん凄み。  
カテゴリー: セサミ日記
夏目陽介 : 根来漆
漆作家は時間のサイクルが違う。瓶子をお願いして2年 は覚悟。漆の乾燥は水分を蒸発させるのではなく、酵素 の働きによるもの。自然の不思議パワー。山彦と海彦。 どちらも大阪のいらちなあきんどには遙かなるあこがれ。
<饂飩倉> : アルプスの少女ハイジ
京阪沿線は饂飩屋のメッカ。大和田の評判店。戸をあけ た瞬間、ホストクラブの出番待ち?スタッフはバイトや ろうけど4人中3人がいかにも。てんこ盛りうどんのネ ーミングといい価格といい、なかなか突き抜けてまっせ。
堤幸彦 監督: 『自虐の詩』
漫画原作の舞台も通天閣やったかなぁ。シャブ中になっ たヒロインが幻覚に襲われるシーン。一万円札絵柄の鳳 凰がするりと飛び上がった、とその瞬間羽が抜け落ちて ずるむけ裸の鳥がひつこぉ顔をつっつきまわす。圧巻や。  
入江敦彦 著: 『怖いこわい京都、教えます』
猛毒量は一番の書き手。名前も知らず本を手に取った時 からはまりこんだ感覚は塚本邦雄、久世光彦以来。たち まちに京都本を出しつづけているが、毒の薄まる気配の 無いのはさすが。これは民俗学。京都は日本にして魔境。
西日本放送ラジオ・生電話
<さわやかラジオ きょうも一日 きし、快晴!>。高 松のラジオ局から10時に生電話。『ゴマの秘蜜』や塩 飽諸島でのゴマ栽培の話。こちらはつんぼで鼻づまりな もんで、なんやわからんままに勝手にしゃべって終わり。
<ツムラ本店> : 河内鴨ロース
蕎麦屋<てる坊>で食べさしてもろた。あとで『大阪名 物』にも紹介されている鴨屋さんとわかって早速松原ま で買いに行った。朝引きの肝は新鮮で、金ごま油につけ るのが旨い。河内のにおいをふりまく威勢のええ五代目。
『賞味期限がわかる本』 : 宝島社
実にタイムリーな企画で、連日の老舗の違法発覚ニュー スを仕掛けたのかと勘ぐりたくなるぐらい。400品目 徹底調査のほかにも<冷暗所って台所?><なるべくお 早めには、いつまで?>など。そういわれりゃそやなぁ。
『はじまりは大阪にあり』:井上理津子 著
大ヒット『大阪名物』の著者。即席麺、電卓、回転寿司。 このあたりまでは大阪発と知ってましたが、ビヤガーデ ン、自動車学校も。目のつけどころがおもろい。「大阪 のパイオニア達は本音と建前が一致か近似値だと思う」。
<うずら屋> : 焼き鳥
屋台ゆうてもええ狭さ。その空間に焼き鳥を食う快楽密 度がびっしり。地鶏、鴨、豚、野菜。皿皿皿。飾り気が ないがその分素材厳選の鮮度あるコクがあふれかえって る。動き回るスタッフの目が澄んでいるのも旨味の要因。