12・31 火食鳥の火をくらふさま見たりけり寒ふかきわが藍青の眼に : 塚本邦雄 〜〜涙湖には飲食の罰藻のごとく 12・30 食べて寝ていつか死ぬ象冬青空 : 神野紗希 〜〜酔おて笑
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【 タイム食句】12・21〜12・25
12・25 木枯らしのやみて急がぬ歩みなり饂飩のたまを袋に提げて : 柳宣宏 〜〜おあげさん自分で煮込みどん兵衛に 12・24 舌荒れてをり猟銃に油差す : 小澤實 〜〜待ち伏
【 タイム食句】12・16〜12・20
12・20 生牡蠣を朝食う貴族には勝てぬ : 金原まさ子 〜〜肉食よりもヒト食ってます 12・19 昭和というウオッカが壜に三センチ残ったままで捨てられている : 大滝和子 〜〜キンキンの霜
・謄本や青い火揺れるひとり鍋 : 磯菜
食句塾 S−1グランプリ 年間大賞 第2次選考 29句 第3次選考 8句 第4次選考 4句 ・ぬばたまの黒豆の出来終い風呂 ・めざめればそら豆の中 もうすこし ・謄本や青い火揺れるひとり鍋 ・円周率春は死んだらどうな
たこ焼きの命の果てや楊枝立つ : 磯菜
食句塾 兼題<焼く><北> ・たこ焼きの命の果てや楊枝立つ : 磯菜 万太郎の湯豆腐の世界とはまた違った味わい。 軽味とふてぶてしさ。 ・獣みて火を思いつく。火に弄ぶ : 大象 火に滅ぶ、を火に弄ぶ、と直した。どうだろう
【 タイム食句】12・06〜12・10
12・10 海鼠切りもとの形に寄せてある : 小原啄葉 〜〜ひきこもってる息してるのか 12・9 わがからだくまなく調べ尽くされて包丁一本でてこなかつた : 目黒哲朗 〜〜シャーペンをポーカ
【 タイム食句】12・01〜12・05
12・5 がんばりなさいと言うがソイツの皿みれば食べ物残すそれまでの人 : 辰巳泰子 〜〜薄っぺらな面にまち針ぶっ立てる 12・4 煮凝の底の目玉の動きけり : 福田甲子雄 〜〜往生せい
そことしもない・・・
薄田泣菫の随筆は湿度加減がいい。 文章のすみずみにいたるまで澄みわたり、 きららをふくみつつ、鋭く、もろく、あえか。 〜そことしもない旅に上のぼる 〜そことしもなく漂ふうちに ほとんどつかわれなくなった美しい日本語を あ
【 タイム食句】11・26〜11・30
11・30 ねこ舌にうどんのあつし日短か : 久保田万太郎 〜〜ザラザラがクセになる猫飼い 11・29 世界の終焉までにしづけき幾千の夜はあらむ黒き胡麻炒れる母 : 塚本邦雄 〜〜心
{タイム食句}11・21〜11・25
11・25 銀杏(ぎんなん)の乳の匂ひ淡くして夕月は出づ あはれノア・ノア : 葛原妙子 〜〜ゴーギャンの楽園の香のかぐわしき 11・24 牡蠣すする密輸の話聞きながら : 仲寒蝉 〜〜