『藤蔵の会』 

『藤蔵の会』 とおぞお!
去年は『太棹の響き』
今回『源太夫を偲ぶ会』

国立文楽劇場での冠公演ともなれば、
文楽の魅力を語り、代々の文脈を伝え、
その格調をまず第一義に。
それは十分にわかる、
またそれ以上の三味線の迫力の舞台である。

しかし、リサイタルといってもいいこの公演に
期待するのは、文楽の世界の拡張。
従来の文楽ファンを超えて、はじめてのぞきみたいと
おもわせる魅力を発揮できる豪腕は藤蔵だ。

今回の第1部でも、歌舞伎の猿之助、能の観世栄夫らと
さかんに交流した父、源太夫のスケールを語っていた。

そろそろ来年あたりからは実験を期待してもいいだろう。
人形の代わりに舞踏集団。浄瑠璃とラッパーの共演。
なにをしでかすか、わからない魔力が藤蔵にはある。