『アートのお値段』
金、カネに翻弄される現代アート界をコケにした
図式の映画に思わせるタイトル。
意外に丁寧。行き届いたドキュメンタリー。
様々な思惑で創作に向かうアーティストたち、
値段はわかるが価値はわからないと語る
コレクターの韜晦ないまぜの微妙な心理を
通りいっぺんの嘲り批評ではなく
陰影を込めて引き出している。
監督はナサニエル・カーン。
世界的な建築家である彼自身の父親を追っかける作品で、
アカデミー賞ドキュメンタリー賞候補にもなっている。
是非その前作を観たい。