亀谷彩さんの個展は、けったいなもんがいっぱいやから
きっと気に入る、と京都の知人が教えてくれた。
和田萬のすぐ近所、わが学舎の西天満小学校の前に
現代アートギャラリーができていたとは知らなかった。
西天満は骨董街。同意に現代美術の画廊も散在。
界隈はたえず変貌しているのだ。
漆は伝統工芸の最たるジャンルで、文箱や蓮弁皿、酒器、盆など
古典的な造形に気の遠くなる漆の技と時間がくりかえし
塗りかさねられるもの。
亀谷彩の発想そのものはハレの場での祭器、呪術の道具
をイメージしている。しかし、できあがったものは
奇妙奇天烈。
漆と動物の毛が触発しあっているパターンが多い。
兎、駝鳥、馬の毛が、磨き抜いた漆の質感とせめぎあい、
古代と未来を切り結ぶ幻想空間でふしぎな調和をみせている。
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◆私は漆や動物性の素材を用いた非日常的な道具を作ることで
日常”ケ”を非日常”ハレ”の世界へと誘いたいのです。
/ 亀谷彩