寛太郎 : 素浄瑠璃「日吉丸稚桜」

寛太郎、大化けの瞬間を見た。
咲くやこの花賞受賞記念として、
素浄瑠璃「日吉丸稚桜」
昨日までは文楽劇場の本公演。
狐火の段で連弾きの20日間。
一部のトークで、
この脇役の地味な立場のしんどさを
しみじみとほんと繰り返し語っていた。
織太夫と藤蔵の連弾き20日間は
さぞ揉みに揉まれた刺激的な時間
だったであろうと推測できる。
しかも文楽全員コロナで殺され
同然のこの一年である。
太棹の皮も破れんばかり、バチは躍り、
掛け声も声帯が破裂するかと。
錣太夫の汗と唾は洪水となり。
まさに狂乱怒涛のジャムセッション。
今日の床をきっかけに、
正月公演はどんな太棹を聴かせてくれるのか。
にわかにワクワクと待ち遠しい。