談春の<居残り佐平次>

今、この噺をきくなら談春しかない。そう思ってた。
始まって佐平次だとわかって興奮した。

憎めない愛嬌。気風の良さ。それに加えて居直りのドス。
どれをとっても、談春が旬。

その上で、2点。
①客が鉄砲撃つまね。倒れてヨイショ。
  これを廓の若い衆の話題でくりかえした。
  佐平次の才能をわからしめるなら、別のギャグを重ねて
  きかせてほしい。
②ラスト、廓のご主人がおでましとなって、佐平次を
  追い出しにかかる。
  吉原の大店を経営するぐらいだから、こちらは百選練磨のはず。
  それが、あっさり佐平次のいいなりになって円満解決、という
  にはものたりない。丁々発止のやりとりがここでは
必要でしょう。<それでこそ佐平次>となって、
<裏をかえされちゃあとが怖い>というサゲが納得できるのでは。

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◆【郭】火事になった時にはもっとも野次馬が集まったと
    言われてる場所 / 現代語裏辞典