正倉院。ことしの目玉は8世紀の螺鈿枇杷。真珠貝が怪しい光沢
を放ち、まばたきをするごとに帝王紫や猩々緋や鬱金の色粒が
乱反射する。
現代の工芸をはるかに凌ぐ傑作である。
文学、絵画、音楽、建築などあらゆるアートのジャンルは
文脈で語られる。こういう流れがあったので、これはその当時
革命的な意味があった。という分析の仕方。
でも、工芸作品は道具として、いまここに二つ並べて、
「どっちがいい?」が成り立つ。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
◆似せ紫
蘇芳あるいは茜を用いた紫の代用染で、
暗い赤紫色をいう。
紫根を用いる「本紫」に対するもの。