歌の力はすごい

震災で疲れ切った心に、歌が明るい癒しになってるでしょう。
メロディが、歌詞が、ゆっくりと細胞からしみ込んでゆく。

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いにしえからの歌の発生や和歌の伝統というと、学問的な
ことになってかしこまるけど、宮本常一が明治の頃の
日本人の暮らしのなかでの、歌に関する考察はおもろい。

追分や盆踊り、田植え唄など、農村漁村でも歌はくらしに
かかせない。また、おおらかなセックスともかかわってくる。
対馬では、巡礼する女たちと村の男たちは歌合戦をして、
最後はからだを賭けてたのしむ歌垣の風習がつい最近まであった。
また、畿内では、流れ者の男が、気品のある女に恋歌を書いて
渡すと、たいていは言うことをきいてくれた、とおもしろく語っている。
教養と関係なくだれもが恋歌ぐらいは、さっと書いたものだという、
そのことの方がおどろく。
『忘れられた日本人』はこの民族のたくましさを教えてくれる。

千年に一度の大震災もたくましく、乗り越えていく。
歌であり、笑いであり、祈りであり。