藤嵜一正さんの漆で、めしを食う

漆の食器をつかうたびに、気がやすらぐ。
日本は樹の郷、木の文化であることに思いがいたる。

そこに漆が塗りこめられておもろさは深くなる。
ベトナムや海外にも漆はある。
しかし、日本の漆には気がとおくなるような時間が
こめられている。
作り手の時間がさらに一千年のいにしえまでも
時の流れを意識することにもなる。

貝合わせのおもろさ。
なにも王朝貴族をおもわずとも、海辺のガキも
あそんでいただろう。
それを漆の蒔絵に仕立てる工芸の美学。
これも贅沢な遊びや。

木漆工芸家・ 藤嵜一正さんの作品で
めしを食う。
一緒に酒を酌み交わす。酔っぱらう。
それがおもろい。