蝙蝠頭を握り手に彫りこんだステッキ

お世話になった大先輩に御礼に何がええやろ。
ふとおもいついたのが、ステッキ。
英国紳士のステッキは粋。とはいえ日本では
老人用の杖。
ボルサリーノの杖をみつけた。
軽い。色もいい。
花菜風の色調のステッキを選んだ。

あたりの画廊をぶらぶら。
猛禽や毒蜘蛛を鏡に嵌めこんだ奇妙な味の
家具が目にとまった。
シャロック・ホームズの世界に迷い込んだ雰囲気。
なんと、ステッキがあるではないか。
手彫りの杖は味わいがあり、握り手は蝙蝠の頭になっている。
こんなステッキで夕暮れの街を散歩してみたいもんだ。
木彫作家の名前は大森暁生。

チャップリンといえばステッキ。
エノケンはステッキを持っていたかな。
益田キートンもステッキのイメージがある。
そのあと、日本人には政治家にもコメディアンにも
魯山人あたりにもステッキのイメージがない。
パイプマニア、葉巻マニア、帽子マニア、スコッチマニア、
あまたあるなか、ステッキマニアはどこらあたりに潜んで
いるのやら。