なぜか、中川一政

~遊びをせんとや生れけむ~
人は遊ぶために生まれてきた、とはよお言ゆてくれた。
えらい都合のええフレーズのとこだけ有名な
『梁塵秘抄』。
平安時代にごっつい流行って人気のあった
歌謡曲大全集みたいなもんです。

~わが子は二十に成りぬらん 博打してこそ歩くなれ~
バカ息子が博打ばっかりして困ったもんや。せやけど
負けんよおに神さんお願いしますわ、
というシンソコ親バカの歌があります。
それを中川一政さんが、絵と書にしています。
なぜか縁あって先月は世沙弥に架けてました。

そんなわけで、花冷えのなか
<没後20年 中川一政展>に。
ゴツゴツ無骨。ぼぉん、と放り出された鯛なんかに
カクカクしたごっつい筆文字がかぶさってええ感じ。
向田邦子が『あ・うん』の装丁にお願いしたという
狛犬なんかも、威きところに愛嬌が同居。