水都大阪の陰部をさぐる<船乗り込み>

道頓堀で歌舞伎役者が船乗り込みをする。
~大阪で生まれた男やけど、大阪のことよお知らん~
やないけど、この道頓堀の船がピンとけえへん。
あの川でいったいどこからどこまで行き来するんやろ?

はじめて、大阪城から道頓堀まで船にのって観光しました。
天満橋にでてすぐ左に。横堀川にはいります。
水門がある。これがきちんとした役割を果たしている水門、というのが
新鮮な驚き。大阪湾の潮の干満にあわせて、
いったん船は水門の前後に囲まれた状態で、水位調節を見守る。
まさにスエズ運河の疑似体験ができるのが凄い。
あの津波で、川をさかのぼる水の猛威を映像として記憶したばかりの
ものにとって、日常の川のおだやかな表情がむしろ怖い。

このコースは、大阪の裏側を流れる横堀川をすすむ。
装った街の陰部をさぐるようにすすんでいくのが、おもろい。
排気孔やエアコン室外機がならぶビルのくすぼった裏側に
みごとな紫の花を高々とかかげた樹々があらわれはじめる。
桐の花。
樹がすべて大きいので花の位置も高く、
目線を青空を仰ぎ見る角度にしなければならない。
初夏のまぶしさと出会う。

というわけで、このコースは外からの人の観光コース
というより、大阪でずっと暮らし続けた人のための
<かくれ大阪案内>なんですね。