王さんのバットはアオダモですか?

やまぼうしが白い花をつけはじめた。
純白の可憐な花が初夏の光に清々しい。
山法師という名前そのものはおもろいけど、
花のイメージとそぐえへん。

花水木はアメリカヤマボウシといって、仲間。
花水木の名前はやらこい和のイメージやけど、
アメリカ産。アメリカハナミズキという言い方は間違い。
日本が桜を贈った御礼にもらったのがこのハナミズキ。

世沙弥の入口に一本の樹がたっている。
夜には白い壁面に樹のゆらぎがライトアップされて
いわば世沙弥のシンボル。
「アオダモです。とても硬くて王さんのバットに使うんですよ」
庭師の親方の説明をそっくりそのまま受け売りして6年間。
きょうメンテナンスにきた若い園丁が
「アオハダ、ちょっと元気ないですね」
うん?聞き捨てならぬ。
「あのお、アオダモのこと、仲間の隠語でアオハダってゆうの?」

全く違う。アオダモはモクセイ科、アオハダはモチノキ科。
葉っぱあったらわかるんやけど、裸のときは
どっちも肌あおいから、まちごおたんかなぁ。

そんなんプロでもまちがうもんですか。