『コロナ』と『海景』にある地球単位の時間

杉本博司『海景』シリーズ。
カリブもエーゲも。
ジャマイカも礼文も。
水平線があるだけ。空と海があるだけ。
嵐も帆柱も鯨もなにもない。
劇はなにもはじまらない。

光をよむ。
時間を感じる。
空気のひだと水のはだの質の変化をみる。
まっすぐの横一の棒をつないでいくと、地球ができる。
太古から現在まで続く地球を想え。

石川直樹『コロナ』。
ポリネシアの広大な海域は<見えない大陸>。
海彦たちの暮らしから、自然と共生する人間の知恵を
採集している。
ここでも、太古から現在まで続く地球を想え、
に考えが導かれる。

今回の歴史的な大津波で、21世紀の日本人は
地球規模の時間の単位を示された。