『瞼の母』にゾワゾワ。
大向こうの掛け声もきまって、
これぞ演歌の花舞台、
ってたっぷり大盛りのおみやげ満足感を
満喫させてもらいました。
中村美律子の新歌舞伎座公演。
演歌の放つ劇的効果は、たとえば
汗腺や粘液膜や生理的分泌液系の
内からあわだつもの。
これは民族的な血で、サンバに反応するブラジル人なり
フラメンコにうずくジプシー系、ガムランのジャワ、バリ。
いままで、双葉百合子、天童よしみの瞼の母も
聴いてるはずやのに、ああ、ふるくっさ程度。
ワグナーでもバレンボエムかクナッパーツブッシュかごちゃごちゃ
蘊蓄たれるんもかなわんけど、
すべからく芸能はやっぱり演者が第一。
みっちゃん、河内おとこ節もええけど
瞼の母、絶品。