「時々、無性に死にたくなる。
別に大した理由があるわけではない。
いや、何も理由はない。訳があって死ぬのは嫌である。」
おもろいエッセイは<つくらない彫刻家>福岡道雄さん。
黒い立方体に彫刻刀でつぶやきをきざみつづけている。
「何もすることがない」
「何をしても仕様がない」
「何をしていいのか分からない」
「僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」
1936年生まれ。すごい老人力。
食句塾で30代の主水が
「何もすることがないので鳥帰る」
という俳句をだしてきたことがある。
これはこれで、とぼけた味がたのしい。
しかし、おおむねこういうつぶやきは
老いてこその味わいで、もし「死にたくなる」のつぶやきが
50代以下のアーティストであれば、うんざりする。
評価とは勝手なもんである。