ストリートチルドレンより悲惨な日本の子供

あわれは、子殺し。
「猫がわが子よりかわいかった」。
平然と語る父親のこころの崩壊は、
その父に因る。
<売り家と唐様で書く三代目>やないけど、
精神は三代100年で立派にも堕落にも
ゆっくりとすすんでいく。
『誰も知らない』。
2004年の是枝監督の映画。内容は実際にあった
子供置き去り事件が下敷きになっている。

それから7年。
つぎつぎと報道される事件で、子供たちは
あわれにもマンションの室内で命を細らせている。
『誰も知らない』のラストは、子供たち4人が絶望で死なずに、
街のとおりにむかってあるいていくシーン。

いま日本で発生している子殺しは室内で誰にも知られず、
まるで萎びた植物か菌のように死んでいってる。
救いがなさすぎる。
この映画のラストは閉ざされていない。
安っぽい希望や夢はないけど、
未知の明日へつながっている。
・死ねとすぐいふ子に秋の金魚かな  : 高柳克弘
社会では勝ち組、負け組などという評価軸が当たり前の
経済の正義になりおおせてる。
ニンテンドーゲームで勝者たるニッポンの少年たちよ、
世界中には、貧しくて親に放り出された子供たちが
腐った残飯あさりをし、体を売ってまで生きのこりに必死だ。
ゲームの電源はオフにして、
アジア、アフリカのストリートチルドレンと
生き死にを賭けて戦ってこい。