生き物が丸いのは、水の詰まった革袋のような
体をしているから。
人工物は四角って角張ばっている。
文明を石器時代、鉄器時代と呼びます。
硬いもので自然を切り裂くことが文明だという
認識ははっきりしています。
丸と四角は相性が悪い。これからの時代は
生物のデザインをとりいれましょう。
なまこやサンゴのユニークな研究発表をしている
本川達雄教授の『生物学的文明論』での視点です。
1989年につくられた塚本晋也監督『鉄男』という
伝説的な映画があります。
なかなか観るチャンスがないのですが、
2010年リメイク版をやっとみることができました。
人間が鋼鉄の銃器に変わっていくというお話です。
エイリアン、ゾンビなどは生物の丸いものが丸いものとして
変貌するから怖さのリアリティがあるものですね。
これは、鉄という人工物と生物の融合というから
こんな相性はふつうは完璧に拒否されますよ。
であるから故の伝説的映画。
そんなアホな、が奇妙に生理的にあわだってくる
力技がお見事。
映画でしか表現できないケッサクな傑作。
やはり、人間は生物的発想でやさしい環境を
つくりだす姿勢が大切です。
東日本復興の環境つくりは、機能優先の文明的美学は
まず捨てること。