加藤委の器は魂のフィヨルド

丸と角。
世界の構造は究極この2つで
成り立っている。

陶器は自然の土からできている。
土を手でこねる。
自然に丸い形になる。
茶碗の丸は手のひらにおさまり、唇にやさしい。
生物体系にかなった造形である<まろみ>を全否定するのが、
加藤委の器。
どれも、フィヨルドのようにとがってる。
地球の極北、氷河は人間を拒絶している。

暮らしにいやしを求める姿勢に,異化をつきつけられてのも
現代人には新鮮な刺激。

花は花として本性をとわれ
酒は酒として魂につきささるか、とろかすか。
魚は水しぶきをはね、肉は獣性をとりもどす。