松喬に落語ブームの後の大化け期待

志の輔の「中村仲蔵」でストンときた。
アーティストでも歌人でも漠然と魅かれる状態が
あってもなにか物足らん対象ていてます。
この1発で<よっしゃ!>を発見したいとこがある。

古典落語の場合、
談春「ねずみ穴」で決まり。
カインとアベルの葛藤をみた。
上方は鶴瓶。南光。
このふたりには、金環食のまわりをさぐってんねんけど
なかなか絶頂がきぃひん。
ぬるま湯で敬遠してたけど、急にあつうなってきたのが
松喬。
一連の落語ブームの急流がおちついて、きっちりした中洲が
みえるのは松喬一門。そのリーダーたるプライドが
いぶし銀にみがきがかかってきた。
まくらの味わいが熟してきた。滋味のある貫禄も。

繁昌亭で「寝床」。
ネタとしては、文楽劇場で聴いた「帯久」「お文さん」の方が
はなしに陰影があっておもろいけど、
繁昌亭は狭さもええし、なにより松喬の還暦からの
大化け期待がうかがえて、よかった。
着付けはまだ気になるねんけど。