30冊の源氏学者が初歌集

塚本邦雄の短歌と出会って、東京大学法学部から文学部に
かわった青年がいる。
師から、研究者としての道をすすめられ、
源氏物語の評論はじめ30冊の単行本を出版。
師亡きあと 55歳にして初めての歌集をだした。
島内景二『夢の遺伝子』
このエピソードだけでも、うれしさがあふれてくる。

・きえぎれの愛の言葉が寄り添つて「後朝(きぬぎぬ)・・・禁ず・・・接吻(キス)・・・傷・・・奇蹟」

・環境破壊者(じんるい)が滅びたあとに吹く索風(かぜ)の響きをオノマトペで表はせ。

・歯に沁みる吟醸一合煩悩の腸(わた)でぬるまり尿(いばり)湯気たつ

ちょっとあそんで『大吟醸バカボンド』なんて酒飲みの本もだしてる。
自分の初歌集を手に、さぞかし酒はうまかろう。