「3.11は季語になりません」

外人5人をむかえての『俳句王国』句会をテレビでやっていました。

・恵海の家海に還して松一本

在日35年のアメリカ人男性の句です。
この回の主宰は有馬朗人さん。
「私は有季定型ですので、季語がないので
とりませんでした」
外人の言語ハンディもあるので、比較的ゆるやかな
批評ですすんでいたのに、ここだけは急にきっぱり。

それに対して
「季語が必要なのはわかります。この俳句は震災の3.11を
テーマにしたものです。これは季語にはなりませんか?」
言語ハンディなどどんでもない。
すばらしい反論、質問コメントに感心した。

「なりません。しかし関東大震災が後になって震災忌という季語に
なったように、今回の震災が季語になるときがくるかもしれません」
主宰の回答の<なりません>もまた立派。

・歳時記は要らない目も手も無しで書け : 御中虫
・台無しだ行く手を阻む巨大なくそいまいましい季語とか : 御中虫

2句ともに注目若手の俳句です。
従来からも無季の傑作があることは、いうまでもありません。

俳句はおもしろいです。
ちなみにわが<食句塾>はなんでもあり。