晩年の中井英夫と懇意にしていた、
という人物に会って驚いた。
まだ50歳そこそこ。
塚本邦雄をみいだしたのが中井英夫。
その関係から、上の上。
時代的にかけはなれたイメージが先行していた。
庭には薔薇園を育て、男性と同棲し、
年1回は、薔薇パーティを開いていた。
作品そのままの耽美的なところが中井らしい。
作家の実生活が作品世界にちかい、ということは
かならずしもない。読み手側の勝手な期待願望であり
幻想にすぎないのだが、中井は文字通り『虚無への供物』に
生きたという点で<ユーモアとエロス>的人物である。
ひさびさに『悪夢の骨牌』を読もう。
本棚からとりだしたが、活字が小さくて読めない。
ああ、こっちがもう晩年だ。
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