名和晃平ライブは美しい格闘技

名和晃平さんのライブペイント。

アートライブというと、ペンキをひっくりかえしたり、
ぐじゃぐじゃの上をローラースケートで走り回ったり、
おとなしいところで、演奏にあわせて書をかいたり。
まぁ、宣伝のおつきあい、みたいなところが多い。

今回はちょっとイメージがちがいました。
まさにアート最前線の真剣勝負、刺激的でした。
パート2は特に。

3すくみ。
名和は大きい真っ白なキャンパスの前に立っている。
画面にむかっって筆をとりはじめた。
線がうごきはじめる。??線の動きが微妙にはやい、ひろがっていく。
それは手前で坐っているコンピューターが描き出す映像であって、
名和はそれをなぞるように黒炭であらたな実線をキャンパス上に
画いていく手法。
ヒマラヤの霊峰からひびきわたるような弦楽器。
肉声も呪術性をおびて、ライブ空間を聖なる領域とする
トリガーの役目を果たしている。
ときおり、コンピューター画面は全面削除するので、
キャンパス上は名和の線だけになる。
また時間経過でふたつが重なる。

アート表現の挑戦。
ボクサーでもあり、修行僧のようでもあり、
闘う美しさがあふれていました。

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【タイム食首】
炭酸水のどいらいらとくだるとき覚えのなき記憶よみがへる : 林和清